ひとりあそび

読んだ本、プレーしたゲームなどの感想を中心に綴っています

政略結婚/高殿 円  

政略結婚
政略結婚
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高殿 円
KADOKAWA (2017-06-24)
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加賀藩主前田斉広の三女・勇は、加賀大聖寺藩主前田利之の次男・利極と結婚。やがて家を支える存在になる勇だが―(「てんさいの君」)。加賀藩の分家・小松藩の子孫である万里子。日本で初めてサンフランシスコ万博の華族出身コンパニオン・ガールになった女性は、文明開化後をどう生きるのか―(「プリンセス・クタニ」)。瀟洒豪壮な洋館に生まれ育った花音子の生活は、昭和恐慌によって激変。新宿のレビュー劇場に立つことになった花音子は一躍スターダムにのし上がるが―(「華族女優」)。不思議な縁でつながる、三つの時代を生き抜いた女性たち。聡明さとしなやかさを兼ね備え、自然体で激動の時代を生き抜く彼女らをドラマチックに描き出した、壮大な大河ロマン!


どの時代の女性も時代やお家に縛られながらも、自分の意思を貫いて聞きていく姿が同性としてとても格好良く感じれました。女性はどの時代も逞しいのです。

三遍が収録されていて、「てんさいの君」は加賀藩主前田家の三女・勇の物語で分家である大聖寺前田家に政略結婚で嫁ぎ、お家の為に生きてきたものだけど彼女に取っては充実した人生だったのではないかなと。早くに夫や娘を亡くしてししまっても、そんな時代だったから仕方ないで済ますしかないのが悲しい。自分の感情よりも(子供ができにくかったら、側室を進めなければいし)お家の存続を優先しなければならない時代でした。
ラスト、こっそりてんさいの大根柄のお皿を残していた夫(こっそりてんさいの君と呼ばれていた)の茶目っ気にクスッとなりました。

「プリンセス・クタニ」は前田さんの分家の子孫である万里子の物語で、外国育ちで気も強く女子教育のために学習院女子に入れられたものの貴族階級の決まりにごとに馴染めず早く卒業して外国で自由に暮らしてやる!という跳ねっ返りな少女だったけど、大人になり自分の先祖が治めていた土地を訪れて自分たちの存在がその地の人々の拠り所になるんだ、と気付けるのはやはりそういう血筋だからですよねぇ。お家の為の結婚だったけど、恋愛結婚みたいなものだし「前田さんとして、生きてくださらない?わたしと一緒に」と逆プロポーズするなんて素敵。色々縛られつつも、自分なりに自由に生きていったのだろうな。

「華族女優」は華族に生まれつつも、昭和恐慌のせいで名ばかりの伯爵家になってしまい貧乏育ちな花音子の物語で、戦前のレビュー劇場が舞台で今までの上品な感じから猥雑でどこか薄暗い雰囲気でした、あとみんな生きていくのに必死。
花音子は華族というより女優として前だけをみていたけど、祖父や両親は華族であったことを捨てられなくてきっと新しい時代では生きていけなかったのだろうな。華族というものは戦後間も無く消滅したものだそうだけど、生まれから華族役も多かったけどそれももうない、演じることを祖父や母の妄執のように感じてたけどやっと死んだ、わたしはおそらく最後の華族女優である、のラストはとても感慨深かったです。
彼女は結婚しなかったみたいだけど、東雲のハン兄さんとの悪友のような兄妹みたいな関係がいいなぁと。

三遍ともそれぞれ独立した話だったのだけど、ちょっとずつ繋がってるところがあっておっ!となりました。
あと大根のお皿も時代を超えて大事に受け継がれてるようでなんか嬉しい。
個人的は華族制度の終わりの時代を書いた「華族女優」が好きかなー。

女性が強く生きている物語で、大人向けの少女小説のようでした。とても面白かったです!
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Posted on 21:39 [edit]

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