ひとりあそび
気ままに、読んだ本の感想を中心に綴っています
2017/02/25 Sat.
宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ/辻村 七子  
集英社 (2017-02-17)
売り上げランキング: 1,030
銀座の店「エトランジェ」を閉め、正義の前から姿を消してしまったリチャード。新たな店主として現れたリチャードの師匠、シャウルから情報を得た正義はイギリスへと向かう。リチャードの失踪の原因となった何かがある国へ。旅の途上、リチャードの親族と名乗る男ジェフリーが正義に近づいてきて?美しき宝石商を苦しめる過去の因縁と、「正義の味方」の決断は!?
前巻が11月に出てるので、結構すぐ発売されてとても嬉しいです。特に、リチャードの失踪なところで終わったので尚更・・・・
個人的に今回は、リチャードを追いかけようかグダグダ迷っていた正義の背中をそっと押してくれた谷本さんのセリフがとても素敵で彼女がとても好きになりました。好き=恋愛ではなくて、色んな好きがあっていいじゃん!恋しているかどうかは、自分で決めるし心は自分自身のものである、という言葉はどこか恋愛とかを人ごとのように感じでいる彼女ならではなのかもしれないけれど自分はとても納得してしまいました。
イギリスでは、リチャードの実家であるクレアモント伯爵家のゴタゴタに巻き込まれつつも最後は持ち前の自己犠牲(?)で色々とぶっこわしてしまったのはさすが正義の味方というか。正義って人が良ければ自分がどうなっても良いという感じだったのだけど、今回リチャードにあなたの愛してる人は、みんなあなたに幸せになってもらいたい。自分ももちろんその中の一人だし、「困っている時に使える便利」になっては欲しくない、はすごく愛情のこもったセリフだよなーって。
七代目伯爵の残した遺言やダイヤは、リチャードや二人の従兄たちを縛る「呪い」になって彼らを苦しめ続けてしまったけれどその裏にあるのが実は自分たちを縛りつけてきた伯爵家の面々に対しての復讐のためだったのに、結果自分の大事な家族を苦しめる事になったのは皮肉な話になってしまったけど、その裏には本当に家族を愛していたんだというエピソードがあったのにはとても救われた気持ちになりました。
色々とリチャードの方も決着がついて、銀座に戻りまたあの日常に戻ると言う感じで綺麗に終わってはいるのだけどまだこのシリーズ読んでいたいなぁ(オレンジ文庫的にも人気シリーズのようだし・・・)
今回、リチャードと正義お互い大事な指輪を交換して、返すのは「私とあなたが最後に合う時」だそうで、そんな関係っていいな。
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