ひとりあそび
気ままに、読んだ本の感想を中心に綴っています
2016/06/18 Sat.
光の巫女を抱く夜/前田 珠子×香月 せりか  
集英社 (2016-06-01)
売り上げランキング: 52,667
命ある限り、互いを互いの『半身』とする神に選ばれた二人―ヒアルキトと、ハワルアト。島国トランキザムでの神事を行い、命を削るようにして、『ミユキ』が宿る晶脈石を生み出す。ところが最近、より多くの晶脈石が必要とされる事態が起こっていた。いったいなぜ!?三年前から訪れるようになった、大陸の皇子エイシャラムも交え、運命の大きな渦がヒアルキトたちを呑み込んでゆく…!
先月でた「光の巫女を放つ風」が他国の皇子エイシャラム編でしたが、今回はハワルアト編です。
基本的な設定や登場人物は同じなのだけど、性格や関係性とかが結構違うので「~を放つ風」とはまた違った物語という感じだったのが読んでて面白かったです。前回のヒアルのお相手であったエイシャラムは良き親友ポジになってたり、晶脈石の枯渇が深刻化していて「神の腕」である2人が力を酷使してきっとこのままだと三十代まで持たない・・・的な感じで前作よりもギリギリな感じでした。今回サブキャラである権力者である紅大公とかもただの悪役とかで終わらなかったりしたのも良かった。
前作は他国の皇子がきてゴタゴタした感じだったけど、今回は島の内部でゴタゴタしちゃった感じ(それにエイシャラムが巻き込まれてた)
ヒアルとハワルが「神の腕」に選ばれる前の幼少期のエピソードがあったり、ハワル視点が結構あって前作よりも彼の事が掘り下げられたのが良かったです(まあハワル編だしね)お互い半身で唯一身にな存在だけれど、結ばれてはならないというのは切ないよなーと。そして彼、全部一人で抱え込もうとするしで、読んでてアーッとなりました(笑)
ハワルがカゲリを受けてしまってという感じだったのだけど、ラストで奇跡が起こって結局二人とも「神の腕」の役割から解放されて島を出て幸せに暮らしました(島の伝承では奇跡を起こしたとになったというのは面白かったけど)的な感じに終わったのはちょっと残念かなぁと。何せラストにかけてが駆け足だったので、無理やりハッピーエンドした感があってですねー
というか、こちらでも右、左の君が命を削って晶脈石を生み出すというシステム(?)は無くなってはいないので色々と解決はしてない気もするんだけど、神の力に頼り過ぎないで人間たちの力で生きていくといきっかけになったという感じなんだろうか・・・・
という感じで、連続刊行で原案が前田珠子さんという企画物だったのですが個人的に楽しかったのでまた何かやって欲しいなぁと思ったり。なんか企画がすごくコバルトっぽくて良いな!と思った。
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